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筋肉をつけるために一番大切なことは何なのか?その答えは、ジムに通うことでも、プロテインを飲むことでも、長い時間頑張ることでも、実はありません。
「筋トレ中どこに意識を向けているか?」、それこそが筋トレの効果を大きく左右するキーワードとなるのです。
まるで胡散臭い精神論のように聞こえますよね。しかし、これにはきちんとした理由が存在します。
一体その理由とは何なのか、そもそも意識とは何を指しているのか、今回はこのちょっとオカルトじみた筋トレテクニックに大注目。
気になるやり方や、オススメの筋トレメニューも併せてご紹介していきましょう。
意識が筋トレを変える理由とは

「意識するだけで筋トレ効果がアップする」。そんなことを急に言われても、多くの人は信じることは出来ないでしょう。胡散臭さ満点な話ですからね。
そこでまずはこのお話の根拠を示すために、情報の発見者を紹介することから始めていきましょう。
「英国心理学会」。それがこのオカルトじみた筋トレ論を生み出した者たちの名前です。要は、イギリスを代表する心理学研究機関のことですね。
うつ対策や精神病、カウンセリングといった臨床心理学に始まり教育や職業心理、健康や神経、さらにスポーツ運動心理学など、その研究範囲は幅広い分野をカバーしています。
何故心理学者が畑違いの筋トレ理論をと不思議に思いかけましたが、この仕事ぶりなら納得と言えますね。
話を本題に戻しましょう。
イギリスを代表する研究者たちである彼らは、一体どうやってこの荒唐無稽な理論を生み出したのでしょうか。
彼らが発表した報告にはこうあります。
2つの方法で、ダンベルトレーニングを行った。
1つはダンベルを上げる際必要となる筋肉(上腕二頭筋等)に意識を集中させる方法。(筋肉の収縮を意識する)
もう一つは、筋肉ではなく手に持ったダンベルを上げることに意識を集中させる方法である。(筋肉の収縮を意識しない)
両者の筋肉の活動具合を分析したところ、より大きな活動が見られたのは前者の方だった。
つまりこの研究によって、筋トレ時には「使う筋肉に意識を集中させた方がより大きな効果が得られる」ことが明らかになったのです。
例えばダンベル上げなら、力こぶのあたりを意識するのがコツ。ダンベルを持ち上げることや回数を意識するよりも、力こぶに集中していた方がより鍛えられるというワケですね。
「意識する筋トレ」は初心者にもオススメ?

「意識するだけで筋トレ効果がアップする」という発見は、多くの筋トレ初心者の人たちを助けることなるかもしれません。
なぜならこの効果は、自重トレーニングでも発揮させることが出来るからです。
例えば、腕立て伏せなら胸や肩回り、あるいは腕の後ろ側の筋肉”上腕三頭筋”辺りに意識を集中する。腹筋(上体起こし)なら、おへその周りのあたりに意識を集中する。スクワットなら太ももの前後に意識を集中するといった具合に。
やり方も簡単、おまけに道具も必要ありませんから、初心者の方でも今すぐ始められます。
ダンベルやバーベルと言ったトレーニング器具を持っていない、プロテインのような栄養補助食品も当然ない、そんな筋トレビギナーが試しに始めるなら、「意識する筋トレ」はうってつけの選択肢になるわけですね。
筋トレ意識を高める3つの方法
使う筋肉を意識する。言葉で言うのは簡単ですが、実際にやってみるとちょっと難しい、うまくいかないという部分もあるかと思います。
そこでここからの項目では、そんな筋肉を意識するのに役立つ3つのポイントを簡単にご紹介していきましょう。
筋肉をイメージする

まず最も重要になるのが、使う筋肉の動きをイメージすることが挙げられます。
例えばダンベル上げならば、ダンベルを持ち上げるときは筋肉がギューッと縮まっていくイメージ。逆に下すときは、グーッと筋肉が伸びていくイメージといった感じで。
「動作に合わせて筋肉を動かす」ことを意識するわけですね。
またこの時、特に注意しておきたい点としてダンベルを下す動作には気を付ける必要があります。
おろすという動作はついつい力を抜いてやりがちですが、筋トレ的には大きなマイナス効果を生み出すからです。
これは力を抜いた状態では、「伸ばす動作」で筋肉を鍛えることが出来ないためですね。
筋トレは持ち上げるだけではありません。持ち上げて”降ろす”そこまでが1セット。上げることしか力を使わないなら、せっかくの筋トレ効果は半分しか得られないのですよ。
回数は数えない

従来までの筋トレでは、一回一回カウントしながら行うのが一般的でしたよね。
例えば腹筋なら30回を1セットとし1日当たり3セット行うみたいな感じで。
しかし「意識する筋トレ」では、そのやり方は大きく変える必要があります。
つまり「回数は数えない」のです。
これには、2つの理由があります。
一つは、カウント行為自体が意識を妨げるリスクがあるため。1回1回数えることが筋肉への意識の集中を弱めてしまうからですね。
ではもう一つの理由は、より筋トレ効果を高めるため「限界まで挑戦するため」となります。
筋肉トレーニングは、もう出来ないというところまで自分を追い込んでこそ高い効果が得られるもの。
回数を数えて終わりのラインを決めてしまうことは、せっかくにチャンスを不意にすることになるからです。
だからこそ「意識する筋トレ」では、1セット当たりの回数は原則「未定」。もう出来ないという限界が終わりのタイミングとなります。
また1日当たりの筋トレ目安は、「自分の限界回数×2~3セット」となりますね。
音楽はNG

筋トレ中や運動中に音楽を楽しむたはこれから早めることをオススメします。
音楽を聴くことが、筋肉への意識を妨げる懸念があるからですね。
私たち人間の集中力は、決して高いとは言えないもの。ちょっとしたことで注意を引かれたり、それまでしていたことを急にできなくなったり、やる気が無くなったりというのは誰もが経験したことでしょう。
音楽は退屈な筋トレタイムを楽しませてくれる数少ない娯楽ですが、より大きな成果、早い結果を望むならあえて我慢するのが最善手となるのです。
スロートレーニングで最強の効果を引き出す

筋肉トレーニングの中には、スロートレーニングと呼ばれる方法が存在します。
その名前から想像できる通りの、ゆっくりした動作で行う筋トレのことですね。
例えばダンベル上げなら、3秒かけてゆっくりと持ち上げ、1秒キープ、また3秒かけて降ろすといった具合の動作でとり行います。
この動作のメリットは大きく分けて2つ。
一つは、ゆっくり時間をかけて行うことで、普通のスピードで行う以上に多くの筋肉に刺激を与えることが出来ること。
もう一つは、加圧トレーニングの様に血流が制限されることで、より大きな負荷がかかっていると筋肉を錯覚させることが出来ることです。
また、ゆっくり行うおかげで怪我のリスクが少ないこと、初心者の方でもやり易いこと、自重トレーニングでもかなりの効果が得られるといったことも特徴的ですね。
意識する筋トレ×スロートレーニング

唐突に始まったスロートレーニングの話ですが、実はこのタイミングには理由があります。
「意識する筋トレ」の効果を最大限引き出すなら、スロートレーニングとの組み合わせは外せないからです。
ゆっくり行う筋肉トレ「スロートレーニング」は、1つ1つの動作を丁寧に行う分、意識を集中させる筋トレとも相性抜群。
ゆっくり筋肉の収縮を意識しながら持ち上げ、1秒間キープ、今度はゆっくりと筋肉を引っ張るイメージで下す。その一連の動作が意識の集中を助けるため、非常にやり易くなるわけですね。
最後の追い込みは回数重視

スロートレーニングでもう限界、これ以上出来ないと感じたら、そのタイミングでさらなる追い込みをかけましょう。
だたし、そこからはスローではなくスピード・回数重視で。一回一回をゆっくり行うのではなく、テンポよくスピーディーにこなしていきます。
どのくらいというのは考えず、こちらもスローと同じくもう出来ないという限界までが目安になりますね。
負荷の高いスロートレーニングでは限界だと感じたはずでも、負荷の低いスピード重視なら数回~十回程度の上積みが期待できます。
筋肉成長は、限界を超えてこそ得られるもの。この最後のもう一頑張りが、筋肉を増やす鍵となってくれるのですよ。